バスク語と肉球

のんびりバスク語を独学します。

バスク人のルーツが科学的に明らかに?

バスク語だけではなく、バスクの人々のルーツも

謎に包まれています。

 

一説には、今の人類がやってくるよりも前、

氷河期以前からヨーロッパにいた古人類ではないか、

という説もあるほど。

バスク語の語彙にも、人類が洞窟で暮らしていた頃の名残があるそうです。

 

しかしこの記事によると、

スペイン北部の洞窟から発掘された人骨のDNAの解析により、

バスク人のルーツは、もともといた狩猟採集民族と、

あとからやってきた農耕民族の混血ではないか?

という説が濃厚になってきたようです。

 

www.telegraph.co.uk

 

一万年も前から存在していた民族、

とさえ言われていたものの、

実際はそこまで古くはない模様です。

 

 

人類学的にとても大きな発見だと思う反面、

不思議が解明されてしまうのはちょっぴり残念にも思います。

「自分たちは古人類の末裔!」

というところにアイデンティティーを感じていたバスクの人も多いことでしょう……。

 

ミロのビーナスの失われた腕みたいに、

謎は謎であってほしいという気持ちもしますね。

 

 

ビルバオ-ニューヨーク-ビルバオ

日本の本屋さんではあまりお目にかかれない、バスクの文学。

この本は比較的新しい(とはいっても日本語版が出版されたのは2012年)

バスクの若い作家による現代文学です。

 

 

 

「樹と魚は似ている。どちらも輪をもっている」

という、不思議だけど何とも引き付けられる一文から始まる物語。

 

著者であるキルメン・ウリベが旅を通して、

自分のルーツに思いを馳せるストーリーです。

祖父や祖母を初めとした親類と彼らと交流を持った人々、

はたまたバスクの政治家や芸術家など、

たくさんの人達のいろいろなエピソードが織り交ぜられています。

 

どこまでが実話なのかはわからないけれど、

出てくる人物達は

家族を思いやる心優しい心根、

海とともに生きる民族としての勇敢さや誇り、

時としてユーモアを兼ね備えていて、

こういうバックグラウンドやDNAそのものが

この若い作家を醸成していったのだなあ〜と納得させられます。

 

そしてもう一つの魅力は、

やはりキルメンの独特の美しい言い回し!

読みたいのに、読み終わるのがもったいなくって

躊躇してしまうような本は久しぶりでした。

 

そして、他の本やネットでは知り得なかった

バスクの魅力や逸話も。

ゲルニカの話は知らなかったなあ。

 

それにしても、

スペイン内戦やETAなど、

バスクとスペインまわりの歴史について

もっと勉強しなければ…。と思います。

 

 

バスク語の話者数はどのくらい?

その言語を使う人(話者)がどのくらいいるか、

という統計は、資料によってまちまち。

(どこまで含めるかの定義や、調査した時期などの違いによるのだと思います。)

 

世界の言語別使用人口:文部科学省によると、

2005年の時点で

中国語を使用する人は世界で約11億人、

英語は5億人ちょい。

 

で、バスク語はいったいどのくらいの人が使ってるかというと

Etxepare Basque Instituteによれば、およそ85万人ほどとのこと。

 

85万人!

というと、世田谷区の人口(約89万人)と同じくらい。

 

こう聞くと、

バスク語なんかよりも英語とか中国語スペイン語とか、

もっと話者数の多い言語をやるべきなんじゃないの?

って思う人もいるかもしれないのだけれど、

そういう言語学習においての“コスパ”を度外視して、

自分が興味のある言語を、

単純に楽しみとして学習するのもなかなか楽しいものなのです。

 

 

ちなみにバスク地方の人口は、Wikipediaによれば308万人。

バスク語を話さない人もけっこういるんだなあ。

いつかバスクに行きたいと思っているのですが、

スペイン語もある程度勉強した方がいいのかな〜なんて

考えている、バスク語初学者なのでした。

 

 

 

 

バスク語学習アプリ。

外国語学習用のアプリは数ありますが、
バスク語学習…となると、
さすがになかなかありません。
(辞書アプリなんかはあるけど。)

で、あまり選択肢がないので
utalkバスク語を使ってみましたー。

有料アプリです。

単語ゲームみたいな感じですが、
単語数は少なめ…。
語句のチョイスもちょっと微妙な気がします。
国の名前とか。
ゲーム機能はいらないし、
もーちょっと実用的な単語を入れてほしいー!

ただ、このアプリは音声付きなのが嬉しい。
単語を覚えつつ、
発音のお手本として使うのはいいかも!

バスク語で数を数える

今日は数の数え方のはなし。

バスク語では、
なんと1から20までは完全な20進法、
という話をネットで見かけたのですが、
実際はこんな感じ。

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12〜18までは、ほぼ10+いくつ〜
みたいな表現になっているので、
そこまで覚えにくくない感じ。

そういえば、フランス語なんかも
70から上の数えかたがかなりややこしくて、
99なんて
「2つの40+19」という表現方法!
なんでわざわざこんなにややこしくしたんでしょうね。

日本語も数の数え方に関してはかなり超絶難解。
いち、に、さん、よん かとおもえば
いち、に、さん、し になったり
いっぴき、にひき、さんびき、よんひき…
となったり。


外国語を学ぶとき、数の数え方を覚えるのには
いつも苦労していました。
というか、めんどくさい!!!


最近、どうにかして数を楽しく覚える方法が無いか考えた結果、
筋トレのときにバスク語でカウントする、
という方法を採用することにしました。

いいです、この方法、かなりいいです。
最初の数回は5回1セットにして
1〜5の数字を覚えて、
慣れたら1〜10まで数えられるようになって…と、
段階を踏んでやるのがコツ。

筋トレ以外にも
お風呂のなかで100まで数える、とか、
些細なことでもいいから、
日課にしていくのがコツなのかなーと思います。


思えば、母語である日本語でだって、
今でこそ当然のように数を使いこなせているけれど、
小さい頃何度も何度も教わったり練習したりして
ようやく100まで数えられるようになったんですよね。

あきらめずに根気よく、
気長に続けて行きたいなーと思います。

バスク語と巻き舌

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バスク語の「R」の発音には
巻き舌でるるるー!っと発音するものと、
日本語のラリルレロのように発音するもの、
二通りがあります。

巻かない

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・前後が母音の場合は巻かない。
 (日本語のラリルレロと同じ感じ)

euri(雨)、librutegi(図書館)


巻く

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・前後に子音がある場合

ardoa(ワイン)

・rrと、2つRが重なっている場合

gorri(赤)

・単語の最後に来る場合

ur(水)

こんな感じで。

巻き舌、じつは私20代半ばになるまで、
上手く発音できませんでした。

ところがある時ネットで見つけた練習用のフレーズで、
あっという間にできるようになりました。


それは、

サッポロラーメン、トロロイモ」!!!

これを、何度もなんども
意識して繰り返すとあら不思議。
巻いてる、私の舌、巻いてるよ!?

ちなみに、トロロイモじゃなくてトロロ味という説もあります笑。


あほらしいけど、
巻き舌音が上手く出来ない!という人は
ぜひ試してみてください♪

「バスク語のしくみ」(白水社)

吉田浩美さんの「バスク語のしくみ」。

バスク語を学ぶにあたり真っ先に購入しました。

 

新しい外国語を学ぶ時には、

いつも最初にこのシリーズを手に取ります。

「外国語のしくみ」シリーズ。

 

もちろん、言語によって書いている先生は違うのですが、

どれもみんなわかりやすくて面白いのです。

(ドイツ語のしくみの清野先生は

 どの著書も素晴らしくて、残り少ない髪の毛ふーふーしたいくらい大好き!)

 

「文法用語に頼らず、新書みたいにスラスラ読める!」

と歌ってるとおり、

さりげなく各国の文化の話を織り交ぜてあって、

読み物的な感覚で読むことができます。

 

いつもならサラッと読んで

後は他の学習書で勉強する流れなのですが、

バスク語に関しては後述の「ニューエクスプレスバスク語」の

補助としても使っています。

(ニューエクスプレスで分からなかった部分も、

 こっちで読むともうちょっと噛み砕いて説明してあったりする)

 

バスク語の学習書なんて日本にほとんどない中で

非常にありがたい入門書!!!

 

8センチCDついてるけど笑。

 

パソコンで再生できなくて途方に暮れていたら、

今はネット上で音声をダウンロードできますので、ご安心を。