(序章)バスク人のおっちゃんの話
私が「バスク」というものを、初めて認識したのは
2016年ゴールデンウィークの逗子映画祭のことでした。
ビーチに並んだ食べ物やさんのなかで、
目移りするほどいろいろな種類のピンチョスが
カウンターに並んでいるお店に惹かれて、
迷わずに入ったものの
恥ずかしながらその時はバスクなんて知らなくて、
スペインの地方料理という認識だった私。
ピンチョスとワインはすごく美味しくて、すっかり酔っぱらって
現地人のおっちゃん(いや、お兄さんかな、
絶対私より若いんだろうな)に、
知ってるスペイン語の単語総動員で話しかけたりしていました。
(うざい)
彼はすごくいい人で、
「バスク語ではね、その挨拶はこう言うんだよ〜。」
と親切に教えてくれたのでした。
それでもバスク????何それ???
スペインちゃうん???
って思っていて、
バスク地方というのが
スペインとフランスにまたがったエリアに存在することと、
バスク語というのが他のどの言語とも関連性が見つからない、
ルーツ不明の謎の言語であることを
家に帰ってから知ったのでした。